胃がんについて動画で
分かりやすく解説
胃がんについて
内視鏡専門医が詳しく解説
胃がんとは
胃がんは、日本では多いがんの一つです。
毎年約13万人(男性約9万 女性約4万)の方が毎年新たに胃がんと診断されており、特に40代後半から増えます。
その数は大腸がん、肺がんについて第3位の多さです。
また毎年約5万人の方が胃がんで亡くなっています。
胃がんは、胃の粘膜表面の細胞が何らかの原因でがん細胞になり増殖します。大きくなるにつれて粘膜の深くに広がっていき、周囲の臓器(大腸、食道、すい臓など)に広がったり、血管やリンパ管にがん細胞が入り込んで全身(肝臓、肺、リンパ節など)に広がります。
よって、がん細胞が粘膜表面にあり転移してないうちに、早期発見、早期治療する事が大切なのです。
胃がんの原因
ピロリ菌感染や、喫煙や食習慣(塩分の多い食事や、野菜と果物不足)が胃がんを起こすリスクと考えてられています。その中でも最も大きな原因は「ピロリ菌」と言われています。
胃がんになりやすい人としては、ピロリ菌に感染している、または感染していた人、潰瘍や胃炎の既往がある人があげられます。(胃がんの方のほとんどは、ピロリ菌に感染していると報告されています)
胃がんの症状
早期の胃がんでは自覚症状が出ることはほとんどありません。
また進行胃がんの場合では主な症状は、みぞおちの痛みや不快感、胸焼け、食欲不振などがあります。しかし、どれも胃がん特有の症状ではなく胃炎や潰瘍でも見られるため、内視鏡検査をしなければ診断は出来ません。
胃がんになりやすい人、
なりにくい人の違い
胃がんのリスクは、ピロリ菌の感染や喫煙習慣、塩分の摂り過ぎ、野菜の摂取不足などを原因として高くなると言われています。
定期的な胃カメラ検査だけでなく、胃がんのリスク自体を下げておくことも大切です。
胃がんの検査・診断
胃がんの診断には、胃カメラ(内視鏡)検査と、バリウム検査(X線検査)があります。
胃カメラでは組織をつまんで、がん細胞かどうかを調べる「生検」を行うことが出来ます。
また、胃カメラの方が2~5倍早期発見できるという報告があり、早期発見のためには胃カメラ検査をお勧めします。
胃がんの治療
初期のがんであれば、内視鏡を使った切除が可能です。進行している場合には、開腹または腹腔鏡下での手術が必要です。
また、手術に加え、手術の前後に化学療法(抗がん剤治療)を併用することがあります。
胃がんのよくあるご質問
胃がんの前兆とも言える症状はありますか?
胃がんは、ピロリ菌感染による慢性胃炎がベースになって起こります。
また胃がんには、早期の段階から進行した段階まであります。
慢性胃炎や早期の胃がんでは症状がないことが多く、あっても胃もたれや胃痛などの症状あり「胃がんに特有の症状」というのはありません。
胃がんのステージについて教えてください。
ステージとは「癌の広がり」のことを意味します。胃がんが粘膜の表面にある段階(ステージⅠ)から、周りの臓器に転移した状態(ステージⅣ)までを分類します。
がんの深達度(T因子)、リンパ節転移の有無とその個数(N因子)、遠く離れた臓器への転移(遠隔転移、M因子)の3つの因子の評価を総合的に組み合わせて、ステージが決まります。
スキルス胃がんになったら治らないのでしょうか?
スキルス胃がんは、確かに見つけるのが難しい癌です。それは、がん細胞が粘膜表面ではなく粘膜の下で広がるからです。
しかし、他の胃がんと同様早い段階で発見されれば治ることがあります。
胃がんを予防するにはどうすればいいですか?
一番大事なことはピロリ菌感染していれば除菌治療することです。
胃がんの原因の90%はピロリ菌感染だと言われています。そのほかには、喫煙、多量の塩分、多量の飲酒と考えれられています。
つまり禁煙、塩分を控えめに摂る、アルコールはほどほどにすることが胃がんの予防につながります。