粘膜下腫瘍とは
粘膜下腫瘍とは文字通り「粘膜の下に」発生する腫瘍のことです。(通常、ポリープやがんは「粘膜の表面」から発生します。)
粘膜下腫瘍は、その組織によって「異所性膵(迷入膵)」「平滑筋腫」「GISTジスト」「リンパ管腫」などがあります。
またごくまれに、粘膜の下にがん細胞が起こることもあります。
粘膜下腫瘍の原因
さまざまな遺伝子の変異によって発生するものであることが分かっています。
ただ、なぜそのような遺伝子の変異が起こるのかについては、現在のところ解明されていません。
粘膜下腫瘍の症状
ほとんど症状がありません。多くの場合、バリウム検査や胃カメラで偶然発見されます。
腫瘍が大きくあると、胃もたれやつかえ感が出ることがあります。
また腫瘍が大きく、潰瘍が出来ると、出血や腹痛といった症状がでることがあります。
粘膜下腫瘍の検査・診断
胃カメラにて、粘膜下腫瘍があるのか、部位、大きさ、表面の構造を観察します。
腫瘍は「正常粘膜」に覆われていることが多く、生検組織診断では診断がつかないことがあります。
診断を確定するには、超音波内視鏡で組織吸引穿刺(EUS-FNA)を行うことがあります。
ただ出血などの合併症もあり、専門機関で、腫瘍が大きくなってから検査を行います。
そのほかに造影CTを行うこともあります。
粘膜下腫瘍の治療
粘膜下腫瘍の最終的な治療は、内視鏡的または腹腔鏡で切除することです。
ただし大きさが小さく(1~2㎝まで)変化がない場合は、経過観察で年に1~2回胃カメラで大きさをフォローすることがほとんどです。
腫瘍が5㎝以上、大きさが増大傾向、症状を伴う、潰瘍を形成する、などの所見があれば手術を行うことがあります。
粘膜下腫瘍のよくあるご質問
何歳ぐらいの人が粘膜下腫瘍になりやすいですか?
年齢は特に関係ありません。
粘膜下腫瘍は急に大きくなることはあるのでしょうか?
多くの粘膜下腫瘍は良性でありゆっくりと大きくなりますが、悪性のもの(GIST、悪性リンパ腫、肉腫など)は急に大きくなることがあります。