胃腸の病気
粘膜下腫瘍とは文字通り「粘膜の下に」発生する腫瘍のことです。
(通常、ポリープやがんは「粘膜の表面」から発生します。)
粘膜下腫瘍は、その組織によって「異所性膵(迷入膵)」「平滑筋腫」「GISTジスト」「リンパ管腫」などがあります。
またごくまれに、粘膜の下にがん細胞が起こることもあります。
ほとんど症状がありません。多くの場合、バリウム検査や胃カメラで偶然発見されます。
腫瘍が大きくあると、胃もたれや、つかえ感が出ることがあります。
また腫瘍が大きく、潰瘍が出来ると、出血や腹痛といった症状がでることがあります。
胃カメラにて、粘膜下腫瘍があるのか、部位、大きさ、表面の構造を観察します。
腫瘍は「正常粘膜」に覆われていることが多く、生検組織診断では診断がつかないことがあります。
診断を確定するには、超音波内視鏡で組織吸引穿刺(EUS-FNA)を行うことがあります。
ただ出血などの合併症もあり、専門機関で、腫瘍が大きくなってから検査を行います。
そのほかに造影CTを行うこともあります。
粘膜下腫瘍の最終的な治療は、内視鏡的または腹腔鏡で切除することです。
ただし大きさが小さく(1~2㎝まで)変化がない場合は、経過観察で年に1~2回胃カメラで大きさをフォローすることがほとんどです。
腫瘍が5㎝以上、大きさが増大傾向、症状を伴う、潰瘍を形成する、などの所見があれば手術を行うことがあります。